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関節リウマチについて

関節リウマチとは

図1

関節リウマチの本態は関節を覆う袋を内張する滑膜の炎症(滑膜炎)です(図1)。その時生じる向炎症性物質によって骨破壊を生じ、変形して関節の機能障害に至ります。関節リウマチの原因は不明ですが、近年その発症病態が明らかになってきました。過剰な免疫応答を発動する遺伝的素因を持つ人が喫煙などの環境因子や粘膜の細菌叢の乱れ(dysbiosis)をきっかけに肺(特にectopic lymphoid tissue)でACPA(抗CCP抗体)が産生されているというものです(図2)。

図2

診断

最近の分類基準は早期に治療介入できるように感度を上げておりますが、下記のような多くの疾患を除外していかなければなりません。そのため最初はリウマチ専門医による精査を受けることをお勧めいたします。

 

鑑別難易度

  1. ウイルス感染に伴う関節炎(パルボウイルス、風疹ウイルスなど)
  2. 全身性結合組織病(シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病、皮膚筋炎・多発性筋炎、強皮症)
  3. リウマチ性多発筋痛症
  4. 乾癬性関節炎
  1. 変形性関節症
  2. 関節周囲の疾患(腱鞘炎、腱付着部炎、肩関節周囲炎、滑液包炎など)
  3. 結晶誘発性関節炎(通風、偽痛風など)
  4. 血清反応陰性脊椎関節炎(反応性関節炎、掌蹠膿疱症性骨関節炎、強直性脊椎炎、炎症性腸疾患関連関節炎)
  5. 全身性結合組織病(ベーチェット病、血管炎症候群、成人スチル病、結節性紅斑)
  6. その他のリウマチ性疾患(サルコイドーシス、RS3PESなど)
  7. その他の疾患(更年期障害、線維筋痛症)
  1. 感染に伴う関節炎(細菌性関節炎、結核性関節炎など)
  2. 全身性結合組織病(リウマチ熱、再発性多発軟骨炎など)
  3. 悪性腫瘍(腫瘍随伴症候群)
  4. その他の疾患(アミロイドーシス、感染性心内膜炎、複合性局所疼痛症候群など)

治療

近年ではbio製剤など画期的な治療法が出現し、その炎症や免疫異常の悪循環を改善することにより予後は非常によくなり、骨の破壊に至らない症例も増えております。まずはMTXでの治療と試してみて、効果が不十分でしたらbio製剤の導入を検討いたします。ただし内科合併症があると使えない場合もあるので当院にてご相談ください。

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