糖尿病
糖尿病のあゆみ
- 紀元前1550年頃(エジプト)多尿を来す難治な病気
- 紀元150年頃(現トルコ領) diabetes (ギリシャ語のサイフォンが語源)
- 1791年(Cullen)diabetesにはmelitus(蜂蜜様)尿が甘みを持つものがある。
- 1815年(Chevreuil) 尿中糖がブドウ糖であることが確定。その後高血糖の病気と見いだされる。
- 1869-1889年(Langerhans) 高血糖は膵臓の病気。
- 1921年(カナダトロント大学)インスリンの発見。インスリン分泌不足の病気
- 1956年(Berson et al) インスリン測定が可能になる。→インスリン作用不足による不均一な病気
以上から、現在では、糖尿病は、‟インスリンの作用不足による慢性の高血糖状態”を呈する症候群、という事になります
糖尿病の分類
一概に糖尿病といっても、その原因は様々です
当然、治療も異なります
1.I型糖尿病
β細胞の破壊、通常は絶対的インスリン欠乏に至る。
A.自己免疫性 B. 特発性
2.Ⅱ型糖尿病
インスリン分泌低下を主体とするものと、インスリン抵抗性が主体で、それにインスリンの相対的作用不足を伴うものなどがある。
3.その他特定の機序、疾患によるもの
A. 遺伝因子として遺伝子異常が同定されたもの
a. 膵β細胞機能に関わる遺伝子異常
MODY1,2,3,4,5 など
b. インスリン作用の伝達機構に関わる遺伝子異常
インスリン受容体遺伝子: A型異常症、妖精病(Donohue症候群)など
B. 他の疾患、条件に伴うもの
a. 膵外分泌疾患: 膵炎、腫瘍など
b. 内分泌疾患: 先端肥大症、甲状腺機能亢進症など
c. 肝疾患: 肝硬変など
d. 薬剤や化学物質によるもの: グルココルチコイド、インターフェロンなど
e. 感染症: ムンプスウイルスなど
f. 免疫機序によるまれな病態: インスリン受容体抗体、インスリン自己免疫症候群など
g. その他の遺伝的症候群で糖尿病を伴うことが多いもの: Down症候群、脂肪萎縮性糖尿病、筋強直性ジストロフィーなど
4.妊娠糖尿病
糖尿病の合併症
高血糖でも無症候性のことが多く、また自覚症状があったとしてもそれが消失すると治ったと思うため、高血糖状態が放置されることがあります
しかしながら、高血糖を放置すると以下のような合併症が出てきます
これらの合併症の出現及び進行を阻止することが糖尿病治療の目標といえます